5.8. Dev Environments(開発環境の構築・管理)

この画面では、Nintendo Dev Interface(NDI)を使用してこれまでに作成した環境に関する情報を確認できます。また、新しい環境を作成したり既存の環境を編集したりすることもできます。

画面左上の「開発環境の追加」ボタンをクリックすると、新しい環境を作成するプロセスが開始されます。

画面左側の「環境リスト」には、現在システムにインストールされているすべての環境が表示されます。いずれかの環境を選択すると、その環境に関する情報が右側に表示されます。環境の主な詳細情報は以下のとおりです。

  • 名前:NDI で使用する環境名。
  • ベース:環境にインストールされているベースと現在インストールされているバージョン。
  • 場所:ファイルシステムの中で環境が存在する場所。青いフォルダアイコンを選択すると、選択した環境のファイルが置かれたフォルダが開きます。
  • インストール済みパッケージリスト:環境にインストールされているすべてのソフトウェアパッケージおよびそれらの現在のバージョンのリスト。 

更新

環境を作成した後、最初にインストールしたパッケージの新しいバージョンが入手可能になります。 そのようなバージョンが入手可能になると、環境名の近くに以下のアイコンが表示されます。

環境の更新の詳細は、以下の「更新」を参照してください。

ダッシュボードグループおよびお気に入り

ダッシュボードグループは、固有のパッケージとともにインストールされ、ハードウェアの更新、特定のプログラムの起動、追加パッケージのインストールなどの特定の機能を容易に使用できるようにします。

頻繁に使用する可能性のあるダッシュボード機能をお気に入りとして選択して「ようこそ」画面に追加することで、それらの機能を容易に使用できるようになります。ダッシュボード機能をお気に入りにするには、目的の機能の右にある星形のアイコンをクリックします。 

追加したお気に入りは、「ようこそ」画面に新しいツールとして表示されます。お気に入りを削除するには、横にある星形のアイコンをクリックします。

「管理」メニュー

開発環境の編集

このオプションを選択すると「環境の構成」画面が開きます。この画面では、開発環境にインストールされているパッケージを変更したり追加のパッケージをインストールしたりすることができます。詳細については次のセクションを参照してください。

環境の構成

この画面は、新しい開発環境をインストールするときにパッケージの管理と同様に機能しますが、パッケージの管理にはない機能がいくつかあります。この画面は、以下の 3 つのセクションで構成されています。

  • タグリスト:画面の左側に表示される、パッケージリストをフィルタ処理可能な定義済みタグのリスト。いずれかのパッケージに関連付けられているタグがない場合、このセクションは表示されません。
  • パッケージリスト:画面の中央に表示される、インストール可能なパッケージのリスト。
  • インストールパッケージ:変更対象として現在選択されているすべてのパッケージが表示された一覧。

「タグリスト」「インストールパッケージ」のセクションは、ウィンドウの左上と右上にある矢印ボタンをクリックすることで、開いたり閉じたりすることができます。

タグリスト


メインパッケージリストにあるパッケージにタグが関連付けられている場合は、タグの一覧が表示されます。本リスト中のオプションを選択してパッケージリストにフィルタを適用することで、指定のタグを持つパッケージのみが表示されます。複数のタグを選択すると、選択したすべてのタグを持つパッケージのみが表示されます。選択したタグを除外するには、そのタグを再度クリックします。Occupation などの特定のカテゴリのヘッダをクリックすることで、そのカテゴリのタグをすべて表示または非表示にできます。


パッケージリスト


パッケージリストには、その環境に対して選択したベースおよびベースのバージョンに基づいて、インストールまたは修正が可能なパッケージがすべて表示されます。また、パッケージを選択するとき便利な機能がいくつか用意されています。

  • 検索バー:検索バーにテキストを入力すると、そのテキストがタイトル、説明、またはタグに使用されているパッケージが表示されます。フィルタを適用するには、検索するテキストを入力して Enter キーを押します。複数の文字列を入力することもできます。その場合は、入力されたすべての文字列が使用されているパッケージのみが表示されます。最後の検索文字列を削除するには Delete キーを使用します。任意の検索文字列を削除するには、その横にある青い "x" アイコンをクリックします。
  • すべて選択:現在パッケージリストにある各パッケージの、使用可能な最新バージョンがインストールされるように設定します。
  • すべてクリア:現在のパッケージリストにあるすべてのパッケージを選択解除します。
  • すべて更新: 現在のパッケージリストに最新バージョンではないパッケージがあれば、それらすべてのパッケージの最新バージョンがインストールされるように設定します。これは既存の開発環境のみに使用できます。
  • 互換性オプション:互換性のないパッケージを選択することができるようになります。  


フィルタの選択に基づいて、該当するパッケージの数がパッケージリストの末尾に表示されます。 各パッケージには以下のプロパティがあります。

  • 名前:パッケージの表示名。
  • アクションの選択:パッケージに対して実行可能なアクションを示すドロップダウンリストボックスです。このボタンをクリックするたびに、使用可能なアクションが順番に切り替わります。アクションの横に表示されているアイコンによって、どのアクションが実行されるかが示されます。特定のアイコンについての詳細情報は、以下のアクションアイコンの表を参照してください。
      • 含まない:このパッケージはインストールされません。
      • バージョン選択:指定したバージョンのパッケージがインストールされ、既にインストールされているバージョンを置き換えます。
      • 再インストール:現在インストールされているバージョンのパッケージを再インストールします。
      • ロールバック:現在インストールされているバージョンを、直近にインストールされていたバージョンに戻します。ロールバックのアクションを連続して実行し、1 つのパッケージに対する複数の変更を元に戻すことができます。
      • アンインストール:現在インストールされているバージョンのパッケージを開発環境から削除します。グローバルパッケージの場合はシステムから完全に削除されます。
  • アドオンリスト(該当する場合にのみ表示):このリストで選択したアドオンがこのパッケージについてインストールされます。選択したアドオンは「インストールパッケージ」に追加されます。アドオンパッケージを選択する場合は、そのアドオンパッケージが付属するパッケージがインストール済みであるか、インストールの対象として選択されている必要があります。 
  • 説明:パッケージの内容の一般的な説明です。説明が長い場合は「詳細表示」が表示されます。「詳細表示」を選択すると、ウィンドウが開き、説明文の全体が表示されます。
  • タグ:パッケージに関連付けられたタグがある場合は左下に表示されます。ここで選択しても、タグリストで選択しても、タグは同じように機能します。

「インストールパッケージ」リスト


「インストール概要」には、インストール処理を続行するとインストールされるすべてのパッケージが表示されます。また、各パッケージに対して実行されるアクションを示すアイコンも表示されます。これらのアイコンについての詳細情報は、次の表を参照してください。


アクションアイコン

アイコン
名前
説明

インストール 表示されているパッケージの表示されているバージョンがインストールされます。
必須 表示されたパッケージは、選択した他のパッケージで必要なので、必ずインストールしなければなりません。
再インストール 表示されたパッケージの現在のバージョンが再インストールされます。
ロールバック

表示されたパッケージに対して、直近のインストールに戻す(「元に戻す」)操作が実行され、元の状態にロールバックされます。

アンインストール 表示されたパッケージは、システムからアンインストールされます。

インストールパッケージ

この画面には、更新処理を続行するとインストールされるすべてのパッケージが表示されます。パッケージごとに、名前、インストールされるバージョン、およびサイズが表示されています。画面右下には、インストールに必要な領域の合計サイズが表示されます。

エクスプローラで開く

このオプションでは、新しい Windows Explorer のウインドウが開き、そこに環境のシステムがインストールされている場所が表示されます。

エクスポート

このオプションでは、選択した環境から MegaZarf ファイルを作成できます。エクスポートされる MegaZarf ファイルには、NDI の任意のインスタンスでこの環境を再作成するときに必要となるすべての情報が含まれます。

参考:

作成される MegaZarf ファイルのおおよそのサイズが画面上部に表示されます。ファイルを作成するうえで十分なサイズの領域があることを確認してください。

MegaZarf を作成するには次の情報を入力する必要があります。

  • エクスポートファイル名:MegaZarf ファイルの名前。
  • エクスポートパス:ファイルシステム上で MegaZarf の保存先ディレクトリ。
  • 説明:MegaZarf ファイルに付属する、テキストによる説明。
  • エクスポートファイルにソフトウェアのバイナリをすべて含むようにします:このオプションを選択すると、MegaZarf に含まれている環境をオフラインで構築するために必要なすべてのファイルがその MegaZarf に含まれるようになります。環境に存在するパッケージの数とサイズによりますが、このオプションでは MegaZarf ファイルのサイズがきわめて大きくなります。チェックを外すと、環境を作成するために必要なメタデータのみがエクスポートされます。この場合、NDI で MegaZarf を使用するときに、任天堂に接続してインストールに必要なファイルをダウンロードするように指示されることがあります。 
  • 環境名(変更不可):エクスポートする環境の名前。
  • 名前のオーバーライドを許可する:このオプションを選択すると、MegaZarf から環境を作成するユーザーが、ここで指定した名前と異なる環境名を指定できます。
  • 環境の場所(変更不可):エクスポートする環境のディレクトリの場所。
  • パス指定先のオーバーライドを許可する:このオプションをチェックすると、この MegaZarf から環境を作成するユーザーが、ここで指定した場所とは異なるディレクトリの場所を環境のインストール先として指定できます。

更新

このオプションでは、選択された環境のすべてのパッケージを、その環境で使用されている SDK に適用可能な最新バージョンのパッチ(例えば、バージョン 3.5.1 はバージョン 3.5.2 に更新されますが、バージョン 3.6.0 には更新されません)および他のすべてのソフトウェアに適用可能な最新バージョンに更新するよう試みられます。この手順では、インストールされているパッケージに適用できるすべての更新の一覧と、ダウンロードしてインストールするパッケージのファイルサイズの合計を表示したウィンドウが開きます。

注意:

環境に適用可能な更新がある場合は、表示されているすべてのソフトウェアパッケージがインストールされます。この方法で更新するときには、更新を個別に実行することはできません。「開発環境の編集」の機能を使用してパッケージを選択すれば、個々のパッケージを更新できます。

開発環境に対して更新プロセスを開始するには「更新」ボタンをクリックします。この更新には数分を要することがありますが、必要な更新のサイズと数によって時間が異なります。

名前の変更/移動

このオプションでは、選択した開発環境のシステム上の場所または名前が変更されます。環境の移動または名前の変更を行うとき、名前と場所の組み合わせは一意である必要があります(例えば、"Project" という名前の 2 つの環境を "Environments" フォルダと "Projects" フォルダに配置できますが、一方の環境を、その環境の名前を変更せずに他方のフォルダに移動することはできません)。 

「名前の変更/移動」画面には次のフィールドがあります。

  • 場所:環境の移動先ディレクトリ。
  • 名前:選択した環境の新しい名前。

アンインストール

このオプションでは、選択した環境がシステムから削除されます。指定した環境をアンインストールすることによってシステムに環境がまったく存在しなくなる場合は、残っているすべてのグローバルパッケージをシステムから削除するかどうかを確認するプロンプトが表示されます。

参考:

グローバルパッケージとは、1 回インストールしておくだけで、システム上のすべての環境で使用できるようになるソフトウェアパッケージです。

リストから削除

このオプションでは、選択した環境が NDI から削除されますが、システムからは削除されません。環境は、削除した後には「開発環境の構築・管理」画面に表示されず、いかなる目的でも NDI によって追跡されません。この方法で削除された開発環境は、「5.11. Link to Existing Environment(既存の開発環境へのリンク) 」機能を使用して、後で NDI にリストアできます。

デフォルトに設定

このオプションでは、環境のベースでどのプラットフォームがサポートされているかによって、表示される内容が異なります。複数のプラットフォームをサポートしている環境では、プラットフォームごとに「デフォルトに設定」オプションが独立して表示されます。

特定の環境に対してこのオプションを選択すると、そこに示されているプラットフォームと相互作用するソフトウェアでは、この環境がデフォルトの環境になります。また、特定の環境に対してこのオプションを選択すると、その環境が、NDI コマンドラインインターフェースで使用するデフォルトの SDK パスになります。詳細については NDI コマンドラインのドキュメントを参照してください。

「NX デフォルトの解除」オプションを選択することで、このデフォルト設定を削除できます。デフォルト環境のメニューでは「デフォルトに設定」の位置に「NX デフォルトの解除」が表示されています。特定の 1 つのプラットフォームに対してデフォルトに設定できる環境は 1 つのみです。

環境情報

このオプションでは、開発環境に関するすべての情報が、コピーアンドペースト操作で選択可能な形式で表示されます。これはアプリケーションの別の場所でも同様に表示できる情報ですが、簡単に利用できるように、この 1 つの場所にまとめて置かれています。

インストールのリカバリ

インストールに失敗した場合、開発環境は無効な状態になります。この場合、「管理」メニューが「修正」メニューになります。「管理」メニューのアクションは、問題が解決されるまで実行できません。NDI は、複数の方法でインストールエラーを解決できます。以下、詳細を説明します。

  • 失敗したインストールを再試行する:これを選択すると、NDI は前に失敗したインストールを再開しようとします。このオプションでは、インストールできなかったパッケージのみがインストールされます。
  • 失敗したインストールを無視する:これを選択すると、NDI は正しくインストールできなかったパッケージを無視します。このオプションでは、インストールまたは削除されるパッケージはありません。
  • リストから削除する:これを選択すると、NDI は NDI から環境を削除しますが、パッケージはアンインストールしません。環境に互換性がないという稀なケースでは、代わりにパッケージがアンインストールされる場合があります。

環境のリカバリ

NDI を使用せずに環境を移動または削除すると、その環境は無効な状態になります。この場合、「管理」メニューが「修正」メニューになります。「管理」メニューのアクションは、問題が解決されるまで実行できません。NDI はこの問題を 2 つの方法で解決できます。

  • 紛失した開発環境を復元する:これを選択すると、NDI は「紛失した開発環境を復元する」画面を開きます。この画面から、NDI は、移動した環境の開発システムを検索したり、最後に保存されたソフトウェア構成から削除された環境を再構築したりできます。
  • リストから削除する:これを選択すると、NDI は NDI から環境を削除しますが、パッケージはアンインストールしません。環境に互換性がないという稀なケースでは、代わりにパッケージがアンインストールされる場合があります。